【山藤組】工事現場に健康・交流・感動を届ける『3K隊』を結成 社員の栄養面をサポート | 建設通信新聞Digital

5月2日 木曜日

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【山藤組】工事現場に健康・交流・感動を届ける『3K隊』を結成 社員の栄養面をサポート

 群馬県桐生市に本社を置く山藤組(さんどうぐみ)(山藤浩一社長)が、社員の健康を第一に考えたユニークな取り組みをスタートさせた。広報部のメンバーが中心となり、工事現場に健康・交流・感動を届ける『3K隊』を結成。遠方の現場を定期的に訪れ、栄養バランスのとれた温かい食事をふるまっている。それも、まるでレストランで出されるようなこだわりのコース料理だ。

栄養だけでなく、衛生管理も徹底

 2020年に創業100周年を迎える同社。山藤社長は「人手不足が深刻になる中、次の50年、100年を形づくる人を育てていくことが中長期の最大の課題。そこで会社の姿勢や取り組みを広く発信してPRすることが、今後の発展のかぎになると思うようになった。社外からは憧れや信頼を、社内には誇りを抱いてもらうことで、人材の確保・定着、さらには受注の安定化や増加など、さまざまな効果が期待できる」と語る。

自らご飯をよそう山藤社長(左)

 その思いを具体化するため、ことし4月に広報部を新設した。活動の1つとして工事現場で働く社員らに、できたての料理を食べてもらう出張カフェ企画を始め、健康・交流・感動という新しい3Kのカタチを提案する『3K隊』と名付けた。「現場の方々の健康をサポートしつつ、現場と本社の人間が一緒に食事をすることで新しい交流の機会をつくり、一つひとつの交流から深い感動が生まれることを目指している」(山藤社長) 

現場・本社間で新たな交流が生まれている

 現在3K隊が腕をふるっているのは、関東地方整備局利根川水系砂防事務所から受注し、浅間山で施工している「H30片蓋川第二砂防堰堤工事」の現場。広報部メンバーの片平恭佑さん(足利営業所長)は「泊まり込みの現場社員は、コンビニ弁当や外食が中心で食事の栄養が偏りがち。現場仕事は身体が資本であり、健康を第一に考えたメニューを用意している」と話す。

冷製カルボナーラ

 3K隊はこれまでに4回出動。かぼちゃのビシソワーズ、野菜がとけ込んだカレーライス、ヘルシーとりから、薬膳ライス、サケと夏野菜の南蛮漬け、冷製カルボナーラなど、多種多彩な料理を提供してきた。第3回目はサプライズで社長夫妻も同行し現場社員の労をねぎらった。第4回には桐生工業高校からのインターン生も参加した。今後はさらに活動を本格化させ、月2回ペースに増やす予定という。

ヘルシーとりから

 「初めは本当に喜んでもらえるのか、むしろゆっくり休みたいのではないかなどの不安もあった」と片平さん。ある日現場に着くと、ホワイトボードが一人ひとりからの感謝のメッセージで埋め尽くされており、それは杞憂(きゆう)に終わった。現場社員にも健康意識が芽生え、コンビニでもサラダを買うようになったりしているという。

サケと夏野菜の南蛮漬け

 山藤社長は「ホームページなどを通じて取り組みを発信することで、若い人たちに山藤組に入りたいと思ってもらいたい。社員やその家族にとっての誇りにもつながれば。社員を大切にして長く働いてもらうことが、結果的に会社の利益になる」と考えている。
 同社はi-Constructionにも積極的に取り組んでおり、昨年はその前の年に比べ、現場社員の年間休日が3週間ほど増えたという。しっかり食べて、しっかり働き、しっかり休む。働き方改革と生産性向上の両立のもと、持続可能な健康経営に挑む。

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