日鉄建材は5日、発明協会が主催する2019年度関東地方発明表彰でSBウォール工法に関する発明が発明奨励賞を受賞したと発表した。受賞名称は「建設環境性及び景観性に優れた砂防えん堤」。今回の受賞により、18年度の鋼製スリットえん堤T型に続き、2年連続の防災技術の受賞となった。
同工法は、同社と共和コンクリート工業、インバックスの3社で開発した砂防えん堤構築技術。砂防ソイルセメントを内部材として活用し外壁材として景観性に優れるブロック材、衝撃に対して粘り強さを発揮する鋼製材を組み合わせた工法だ。
3社は、同工法普及のために研究会を立ち上げ、えん堤構築で最も重要となる内部材の製造と、品質維持に必要な配合試験やその指標となる現地土砂の適応性判断を積極的に実施するなど、外壁材の製造・販売だけでなく、信頼のおけるえん堤を構築する“工法”としての販売を行っている。
05年に建設技術審査証明を取得して以来、同工法はこれまで400基を超える実績を積み上げ、全国各地で防災・減災に貢献している。特に効果を発揮しているのが近年多発している自然災害の復旧事業で12年7月九州北部豪雨(熊本県阿蘇中心)、14年8月豪雨(広島県中心)、16年熊本地震で集中プラント方式による施工で多数の砂防えん堤を短期間に構築した。
同社は「ここ数年、毎年と言っていいほど大きな災害が発生している。防災・減災にこれからも寄与していける工法として、提供していきたい」としている。