【国内初】本体と作業所の両方でZEB Ready認証取得 大成建設の伊丹市新庁舎整備工事 | 建設通信新聞Digital

4月27日 土曜日

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【国内初】本体と作業所の両方でZEB Ready認証取得 大成建設の伊丹市新庁舎整備工事

 大成建設は、兵庫県伊丹市の新庁舎整備工事の新庁舎と作業所の両方で「建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)」によるZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)Ready認証を取得した。本設建物となる新庁舎と仮設作業所事務所の両方でZEB認証を取得するのは国内で初めて。

 「環境に配慮した庁舎」を基本コンセプトとする伊丹市の新庁舎は、基本設計と実施設計監修、工事監理を隈研吾建築都市設計事務所が担当。設計・施工一括発注方式(デザインビルド)方式で受注した大成建設が実施設計から施工までを手掛けている。

伊丹市新庁舎パース


 隈研吾建築都市設計事務所は「既存庁舎を生かしながらの建て替え、まちづくりや景観に配慮した意匠、BCP(事業継続計画)や免震といった庁舎建て替えが直面するさまざまな課題をクリアしつつ、2万㎡を超える大規模庁舎としてZEB Readyを達成する」ことを基本コンセプトに基本設計を進めていた。

 実際に延べ2万㎡を超える大規模庁舎としては西日本で初のZEB Ready認証の取得になるという。

 新庁舎は開口部にLow-E複層ガラスを採用。ひさしや外部フィンを導入することで空調負荷を低減した。高効率機器による潜熱顕熱分離空調方式を取り入れる一方、LED照明器具をベースにした照明は人検知センサーを利用した高度な制御を採用。災害時に備えた自立運転も可能な蓄電池付き太陽光発電設備を整備し、創エネルギーにも取り組むことでトータル54%のエネルギー削減を実現する。

 竣工後はBEMS(ビル・エネルギー・マネジメント・システム)による設備管理に加えて、遠隔監視システムを活用した専門家によるエネルギーサポートを行うことで計画どおりの確実な省エネルギー運用の体制を敷く。

 一方、新庁舎の環境配慮への思想を踏襲して作業所でも断熱性能の向上に加え、高効率空調システムやLED照明、ヒートポンプ給湯器などの省エネルギー技術を導入。標準的な建築物と比べて1次エネルギー消費量を54%削減している。

仮設作業所事務所

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