【3D地図を高精度化】JAXAとNTTデータ 開発途上国でのハザードマップ作成へ向け共同研究 | 建設通信新聞Digital

4月29日 月曜日

公式ブログ

【3D地図を高精度化】JAXAとNTTデータ 開発途上国でのハザードマップ作成へ向け共同研究

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)とNTTデータは、人工衛星に搭載したレーザー高度計を使った3次元地図の高精度化について共同研究する。人工衛星による高精度データ活用をすれば、開発途上国を含む世界中にハザードマップの作成対象地域を拡大できると見込んでいる。

研究開発成果のイメージ。地盤面高さモデルの浸水予測エリア


 災害被害の危険エリアを正確に特定・把握するためには、高精度な3次元地図が必要になる。都市や建設、交通などの産業でも3次元地図の利用が進んでいる。

 NTTデータはこれまで、JAXAなどの衛星画像を使った全世界デジタル3D地図サービス「AW3D」を展開してきた。ただ、通常の衛星画像では、樹木や植生に覆われた地域では地面を直接観測できず、高精度データの取得には航空機などによる観測が必要で、ハザードマップ作成が先進国の主要河川などに限られていた。

 JAXAは、地盤面や森林の高さを高精度に測定できる「宇宙機搭載レーザ高度計」の研究を進めてきた。この技術を生かし、両社は、衛星画像から作成した樹高などを含む地表面の高さモデルとレーザー高度計で測定した高さデータを使って地盤面の高さモデルを正確に作成する技術を共同研究する。

 デジタル3D地図サービスで世界のハザードマップなどの高精度化を目指すほか、都市デジタルツインなどのスマートシティー分野や森林資源量把握といった環境分野への応用研究も進める。



建設通信新聞電子版購読をご希望の方はこちら