【点検用ドローンの集大成】カーボンコアの堅牢設計 AirSliderに新型機「Fi4」が登場 | 建設通信新聞Digital

4月27日 土曜日

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【点検用ドローンの集大成】カーボンコアの堅牢設計 AirSliderに新型機「Fi4」が登場

 NJSは、下水道管路などの閉鎖性空間点検・調査用ドローン「AirSlider(エアスライダー)」の新型機となる「Fi4」を開発した。カーボンコアの堅牢設計とし、防塵防水性能やメンテナンス性、操作性を格段に高めたのが特徴。共同開発者である自律制御システム研究所(ACSL)と設立した新会社「FINDi(ファインドアイ)」の主力機として、上下水道施設や農業施設、電力施設などの点検・調査・診断業務に活用していく。

新型機の「Fi4」


 エアスライダーは、全国で総延長が約48万㎞におよぶ下水道管路の安全で高精度な点検・調査を効率的に実施するため、2017年4月の試作1号機完成以来、国内外で数多くの実証試験とその結果を踏まえた技術開発を継続的に進めてきた。地上部から機体をマンホール内に降下・設置する発射台などの周辺機器も開発し、水力発電所の鉄管調査や農業分野での施設管理サービスでの実運用も既に始めている。

 これらの知見とノウハウの集大成となる新型機のFi4は、閉鎖性空間内部での安定飛行や狭い空間内での遠隔制御、調査対象施設を保護するボディー構造といった従来機の特長を踏襲しつつ、課題だった防水性やメンテナンス性を高めるため、細部まで設計を見直した。

 ボディーのコア部分はフルカーボン(CFRP)で強度や防じん防水性を高めつつ軽量化した。バンパーと呼ぶボディー外側部分は柔らかいEPP(発泡ポリプロピレン)素材とし、調査対象の構造物を保護する機構をさらに進化。このバンパーは交換式でメンテナンスが容易な上、用途に応じた形状変更も可能となる。

 さらに、直進型プロペラを採用し、専用バンパーで管の中心にドローンを位置制御するなど、より扱いやすくした。操作も専用のタッチアプリを搭載したコントローラーで行う。NJS独自の通信技術と高性能プロセッサーを組み合わせることで低遅延通信も実現。ジンバル搭載の防水カメラはぶれない映像取得を容易にする。バンパーは浮体性があり着水し水上走行も可能だ。

 NJSとACSL、FINDiの3社は5月31日、新技術オンライン発表会を開き、Fi4の特徴と技術概要などを説明するとともに、FINDiが1日から始める点検調査サービスの経済性や日進量、安全性などでの優位性をアピールした。管径400-1500mmを対象とする飛行式のエアスライダーと、800-5000mmの中大口径管路向けの水上走行式のWaterSlider(ウォータースライダー)を主力機に、25年12月期での売上高10億9000万円の目標達成を目指す。

左からFINDiの池田浩史営業開発部長、稲垣裕亮社長、ACSLの六門直哉事業開発本部長



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