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B・C・I 未来図

【伸展する関西の建設ICT⑫】ワンモデルでプロセスつなぐ 美保テクノス × 応用技術

最終更新 | 2021/11/29 11:02

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地域建設会社の美保テクノス(鳥取県米子市)が、応用技術のBIM支援パッケージ『BooT.one』を軸に、BIM導入のステージを上げようとしている。ことし春に竣工した3件のプロジェクトでは設計から施工への一貫BIMで一定の成果を収め、現在は一歩先を見据えた新たな取り組みにチャレンジし始めた。美保テクノスの野津健市氏(社長)と新田唯史氏(BIM戦略部長)、応用技術の高木英一氏(執行役員toBIM推進部長)と今井智氏(同推進部パートナーセールスリーダー)に、今後の方向性について聞いた。

 

◆『BooT.one』軸に規格化

–BIMの導入状況は

新田 BIMソフト『Revit』を導入する中で、情報共有の基盤にBooT・oneを位置付け3年目に入った。設計から施工、維持管理までをワンモデルでつなぐBIMの導入を目指し、ことし春に竣工を迎えた3件のサービス付き高齢者向け住宅プロジェクトでワンモデルBIMのトライアルを進めてきた。現在は7件のプロジェクトで検証しており、施工図をしっかりとはき出せるBIMモデルの構築を前提にした規格化に取り組んでいる。設計施工では全案件にBIMを導入し、他社設計案件でも引き継いだ2次元図面をBIMモデル化して現場で活用している。

野津健市氏

野津 会社としてBIMにはBIM元年の3年前となる2006年から取り組み始めた。全国的で見ても地域建設会社の取り組みとしては先駆けであろう。しかしながら導入すれば良いということではなく、約15年も取り組んできているので、そろそろ目に見える成果をきちんと出す段階に来ていると考えている。BIMの導入が受注貢献につながったとか、省力化によって利益を確保できたというような、具体の成果が出てこなければ、会社として導入して良かったということにはならない。BIM戦略部には、目に見える成果を挙げることを意識して、取り組むよう促している。

新田唯史氏

新田 BIMの導入当初はプレゼンツールとしての使い方にとどまっていたが、その後は実施設計や確認申請にも使おうと着実に適用範囲を広げてきた。現在は作図作業で3割の効率化が実現しており、さらに情報伝達向上によって、設計チーフを中心に作図作業を除いた設計者本来の業務効率が7割ほど高まっている。理論上、設計段階で設計チーフはこれまでの3倍の量の業務をこなせる状態となり、施工に正確なモデルが流れることで、施工図作成も迅速化できている。BooT・oneの導入によって一定のルール上に沿ってモデルを作成できており、各部門で時短効果を生んでいる。

野津 とはいえ、BIM戦略部以外の社内全体の意識が、期待しているレベルにまで到達できているとは考えていない。前工程である設計部門から後工程の施工部門への伝達など、部門間の情報伝達に課題がある。設計施工案件は良くなっているが、他社設計案件ではそもそもBIMでの情報伝達ができない。BOOT・oneの導入を機に規格化を進めているが、まだもう少し時間はかかる。現在はまだ1つ上のステージに進むため、階段に一歩足を乗せたというような感じだろうか。

高木 BIM導入には経営層の理解と明確な方向付けが不可欠だ。全国的にも見ても、地域建設業の中で美保テクノスはBIMのトップランナーとして先導役になっている。BIMでは「I」(インフォメーション)の構築がもっとも重要ではあるがが、いざ始めるとモデリングにこだわってしまう傾向が強い。美保テクノスは「I」にこだわる代表的な地域建設会社の1つでもある。

今井 最近は、特に地域建設会社からBooT・oneの引き合いが増えている。大手準大手クラスのゼネコンが先行していたBIM普及の波が、地域で活動する建設会社にも広がり始めた証だろう。RevitはBIMソフトとして直感的で使いやすいが、素の状態から社内全体で使うとなるとスタート時の準備に時間と労力がかかってしまう。支援ツールであるBooT・oneの存在を知り、相談してくる企業は後を絶たない。

高木 まさに最近は地域で活動する建設会社や設計事務所のBIM導入の動きが活発化している。問われるのは会社としてどれだけ本気になって取り組めるかである。美保テクノスのように、業務の中にしっかりと位置付けていこうという地域建設会社はまだない。今後は美保テクノスの成果が他の地域建設会社をけん引する流れになるだろう。

 

◆新社屋建設、PFI事業にもBIM

23年度中の完成を目指す新社屋

–BIMを軸にした新たな展開は

野津 現在23年度中の完成に向け、新社屋の建設を進めており、当社のBIMの集大成の取り組みとして、設計から施工、維持管理までのプロセスで一貫してBIMを活用していくことに取り組んでいく。さらに、米子市が鳥取県と共同で実施するPFI事業「鳥取県西部総合事務所新棟・米子市役所糀町庁舎整備等事業」にも当社が代表企業を務めるグループが優先交渉権を獲得し、当社が設計業務と施工業務を行うこととなった。本事業では、完成時にBIMデータでの納品とともに維持管理にBIMを活用することにもチャレンジする。本事業は国土交通省の21年度BIMを活用した建築生産・維持管理プロセス円滑化モデル事業(中小事業者BIM試行型)にも採択されており、BIMを軸にさまざまな取り組みが動き出している。

新田 実は、BIMを使った情報マネジメントの国際規格「ISO19650」の取得も準備を始めている。BIMの導入プロジェクトが増え、正確なモデルを作り、社内では後工程にきちんと引き渡す流れを重視している。それがBIM成功の秘訣と考えており、その証として自分たちの進めているデータ流通の位置付けを第3者に判断してもらいたいとISOの取得を決めた。22年度上期の取得を目指しており、12月に1回目のトレーニングに入る。

高木英一氏

高木 ISO取得は大手ゼネコンで取得の動きが目立ち始めている。地域建設業では初の試みとなるだろう。まさに美保テクノスは常にチャレンジしながらBIMを自らのものにしようとしている。当社とはBooT・oneの導入を機に関係性を深めているが、支援側であるわれわれが逆に学ぶことが多く、機能改善のヒントもたくさんもらっている。ともに成長し合う良い関係性になっている。

今井 視点は変わるが、美保テクノスは地域貢献の取り組みも活発に進めている印象が強い。鳥取大学の学生らが運営する団体「ツナガルドボク」と連携してBIMコンペなどを開催しており、BIMの人材育成にも力を注いでいる。

 

 

 

 

 

–どこを目指しているか

野津 社内の別の部署からみれば、BIM戦略部は何をしているのか見えにくい部分も多い。当社のDXのけん引役として活動してはいるが、目に見える成果を出すことを意識するなど、戦略的な取組を強化してほしい。BIM戦略部の成長によって、会社としてもBIMのステージを1つ上げられるものと考えており、それによって当社のプレゼンスは向上すると思う。

新田 BIM推進役のわれわれから見れば、各部署のBIM対応力は着実に上がっている。経営トップダウンの号令も大きな推進力になっている。BIMプロジェクトを担当した現場所長は皆、次の現場でも取り組みたいと意欲的であり、施工部門はトライアルプロジェクトをきっかけに一歩前進している。重要なのは現場主導で課題を整理し、目的を持ってBIMと向き合い続けることだ。

今井智氏

今井 美保テクノスの取り組みは他の地域建設会社にとって、とても参考になるだろう。BIMは導入すれば、劇的に生産効率が変わるわけではない。スタート時にはどの会社も従来の仕事を進めながら並行してBIM対応を進めていく流れになる。同時並行で進めなければいけないゆえにスタート時は大変だが、そこをクリアすれば課題が明確になり、新たな流れが定着すれば、それが省力化という利益に結びつく。

高木 等身大でBIMと向き合う美保テクノスの姿勢は、他の地域建設会社の共感を得るだろう。大手ゼネコンの事例は技術的にも最先端を進んでいるが、なかなか真似はできない。各地ではBIMを足がかりに成長しようという建設会社や設計事務所が点在している。美保テクノスの事例はまさに地域建設業を次のステージに押し上げるきっかけになるだろう。

野津 そもそも当社がBIMに取り組むのは施主のためである。われわれのものづくりが進化することで、よりリーズナブルで、間違いのない成果を提示でき、よいものをお客様に引渡し、さらにそれを維持管理にも活用してもらう。そうなって初めて、われわれは1つステージを上げられるのではないか。当社は現在は鳥取と島根を中心に仕事をしているが、BIMを切り口にエリアの拡大や業容の拡大も図って行きたい。「BIMを活用する美保テクノス」として、全国から声をかけてもらえるようになりたい。

グループ代表として優先交渉権を獲得したPFI事業

 

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