【記者座談会】熱中症に警戒呼び掛け/「電力需給ひっ迫注意報」発令 | 建設通信新聞Digital

4月29日 月曜日

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【記者座談会】熱中症に警戒呼び掛け/「電力需給ひっ迫注意報」発令

A 気象庁が6月27日に関東甲信と東海、九州南部、28日に九州北部と四国、中国、近畿、北陸の各地方で梅雨明けしたと発表した。1951年の統計開始以来、関東甲信などは最も早い梅雨明けで、30度以上の真夏日や35度以上の猛暑日が多いと予想され、建設現場で働く人たちは熱中症への警戒が必要になる。

B 厚生労働省が2021年の職場での熱中症による死傷災害発生状況を発表したね。建設業の休業4日以上の死傷者は前年比40%減の130人になったけど、死傷者のうち死亡者数は57%増(4人増)の11人だった。21年はコロナ禍によるテレワーク増の外出減や気候状況などによって、死傷者数が大幅に減ったと分析している。でも、建設業の死傷者数は主要8業種の中で最も多く、全体の23%、死亡者数も建設業が55%を占めた。

C 建設業の熱中症死亡者には、入職直後で暑熱順化が十分でない事例や、熱中症になった労働者の発見や救急搬送が遅れた事例が見受けられる。日ごろからWBGT(暑さ指数)値の実測が確認できた事例は少なかったという話だ。

D 7月を重点取り組み期間とする「STOP! 熱中症 クールワークキャンペーン」が既に始まっている。建設現場など直射日光下での作業や冷房設備がなく風通しの悪い屋内作業では、WBGT値の実測と労働者の健康状態や暑熱順化状況の確認が何よりも重要だ。当日の作業開始前に、朝食の未摂取や睡眠不足、前日の多量飲酒など健康状態の確認を怠らず対策を徹底して、熱中症災害を防いでほしい。

B そうだね。きょう1日から全国安全週間が始まった。熱中症以外にも気をつけて無事故・無災害で完成することを願うばかりだよ。

猛暑の中をマスク着用し行き交う都民(東京都千代田区)

現場の節電協力は支障のない範囲で

 
A 熱中症と同様に気になることがある。30度を超す酷暑となった6月27日、東京電力の管内で電力需給が厳しくなる見通しとなり、政府が「電力需給ひっ迫注意報」を初めて発令した。家庭や企業に無理のない範囲で可能な限りの節電を呼び掛けていたが、ゼネコンやディベロッパーはどう対応したのかな。

B ディベロッパーは、管内のオフィスや商業施設で可能な限りの節電対応を実施した。バックヤードの空調温度の設定変更や共用部の照明の減灯、駐車場の給気停止・排気間隔の延長など、業務や営業活動に支障のない範囲で節電行動を実行した。

C ゼネコンも本社ビルや管内の支店など業務に支障のない範囲で節電した。ビル共用部での照明の間引きや、執務室の空調の風量調整など、まさに可能な範囲で節電行動を取ったようだ。

A 「電力需給ひっ迫注意報」は、ことし3月に初めて出された東京電力管内での「電力需給ひっ迫警報」をきっかけに、あらかじめ節電の必要性を呼び掛けるため新設された。電力の安定供給に必要な余力を示す予備率が5%を下回ると予想される場合に「注意報」、予備率が3%を下回ると予想される場合は「警報」に切り替わる。

C ゼネコンなどの企業も3月に「警報」が発令された際の節電要請への対応の経験があったため、本社ビルでの節電対応はスムーズに実行に移せた。

A ところで建設現場はどのような対応をしたのだろうか。

C もちろん現場でも可能な限り対応したと思うが、そもそも現場で照明を間引きしたら、安全性を損なってしまう。熱中症への対応も含め、あくまでも業務に支障のない範囲で節電に協力するということだと思う。

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