【動画ニュース】大型ドローンで盛土材運搬、生産性向上目指す | 建設通信新聞Digital

5月1日 木曜日

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【動画ニュース】大型ドローンで盛土材運搬、生産性向上目指す

 

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盛土材運搬に大型ドローンを活用し生産性向上
 


 近畿地方整備局大戸川ダム工事事務所とアクト(大津市)は、軽量盛土材の運搬に大型ドローンを運用している。同局が事業を進めている付替県道大津信楽線の現場で県道の土台となる発泡スチロールをドローンが運搬する。急峻な斜面での作業の安全性向上と工程短縮を目的に実施しており、同局管内で初めての試みとなる。

 現場はアクトが施工する「大戸川ダム付替県道新3号橋・新8号橋間道路改良その他工事」。施工範囲は120mとなり、新7号橋と新8号橋の間でドローンを活用している。

 今回使用しているドローンは、アクトの協力会社トータルテックが製造した「TK40」だ。プロペラを含む全長は2710mm、全高は903mm、重さは115.5㎏。最大60㌔まで運搬できる。8基あるプロペラは上下の向きを互い違いにすることで重なる部分をなくし、小型化に成功した。風速5m以内なら飛行可能だ。

 運搬する軽量盛土材は山岳での工事では一般的に使用される発泡スチロールだ。1個当たり幅2m・奥行き1m・高さ50cm、重さ40㎏あり、これまでクレーンと人力で運んでいた。盛土材を階段状に積み上げる際、人力では運搬に時間がかかる。クレーンの稼働範囲30mを超える部分での運搬にドローンが使われることになった。

 実際の運搬では、離陸側と荷下ろし側の2カ所にオペレーターがおり、運搬途中に操縦を切り替える。約2分で1回の運搬を終えることができ、人力より1.5-2倍の速さで作業可能だ。ドローンの活用により、クレーンの設置に必要な仮桟橋が不要となったため、約1億円の仮桟橋の費用が削減できた。

 アクトの寺内敬嗣現場代理人兼監理技術者は「作業員の疲労面でも助かっている。さらに工期短縮も進んでいる。安全面も考慮して完成させたい」と語った。同事務所の人見剛副所長は「初めての取り組みとなるが、今後の全国展開を見据えてドローンの活用を進めていきたい」と意気込みを示した。

 付替県道事業では大戸川ダムの完成後、現道は洪水時に水没するため高所に付け替えている。同局は2022年度内の完成を目指している。

 


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