【自律飛行ドローン活用】山岳トンネル無人点検を本格運用/青木あすなろ建設、Spiral、クオリカ | 建設通信新聞Digital

4月27日 土曜日

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【自律飛行ドローン活用】山岳トンネル無人点検を本格運用/青木あすなろ建設、Spiral、クオリカ

自律飛行の概要と実証実験の飛行経路

 青木あすなろ建設とSpiral(東京都葛飾区、石川知寛代表取締役)、クオリカ(新宿区、辻本誠社長)は、山岳トンネル坑内で自律飛行ドローンを使用した機械設備の無人点検の本格運用を始めた。非GNSS(衛星測位システム)環境下で障害物が多い山岳トンネル坑内での自律飛行が可能で、撮影した映像はリアルタイムに事務所などから確認できる。今後は可燃性ガスの検知や災害時・停電時の暗闇での点検などさらなる展開を目指す。

 自律飛行ドローンによる点検には、Spiralの特許技術である非SLAM型屋内自律飛行システム「MarkFlexAir(マークフレックスエアー)」を使用した。遠隔操作で充電ポートから離陸し、飛行指示情報が入ったマーカーをドローンに搭載されたカメラが読み取ることで、自律飛行ができる。

 2021年11月に近畿地方整備局発注の大野油坂道路大谷トンネル箱ケ瀬工区工事でセントルを通過する飛行経路で実証実験を実施した。

 その後、国土交通省国土技術政策総合研究所の実大トンネルで実証実験を重ねて自律飛行ドローンの飛行精度を高め、非GNSS環境下での安定飛行を確認した。

 10月からは同トンネルで無人坑内点検の本格運用を開始。充電ポートを始点と終点の2カ所に設置し、事務所からパソコン(PC)操作で離陸させ、全長約970mを自動巡回させた。ドローンが撮影した映像はリアルタイムで遠隔地のPC上で確認できるため、事務所などから坑内の点検が可能になり、省力化を実現した。

 山岳トンネル坑内は暗所かつセントルなどの機械設備や重機も多く稼働していることに加えて巡視可能時間も限られるため、効果的な点検技術が求められている。自律飛行ドローンで点検することによって、移動時間の削減による省力化や安全性確保につなげる。



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