【動画ニュース・電動アシスト昇降機開発、 電設工業展で体験可能】櫻井技研工業 | 建設通信新聞Digital

5月1日 木曜日

公式ブログ

【動画ニュース・電動アシスト昇降機開発、 電設工業展で体験可能】櫻井技研工業

 

◆動画ニュース配信中
ご視聴はこちらから






◆鉄塔登り降りの肉体的負担軽減

 送電線工事に携わる高所作業員の日々の悩みは、作業に伴う鉄塔の登り降り。高さ100mともなると肉体への負担は大きく、高所作業での集中力や施工品質にも影響しかねない。櫻井技研工業(愛知県春日井市、安藤峰之代表取締役)は、この負担を大幅に軽減するための試作機「電動アシスト昇降機」を完成させた。同機の標準化を目指して24日から26日までの3日間、大阪市のインテックス大阪で開かれる第71回電設工業展「JECA FAIR 2023」に出展し、東光電気工事のブース内を借りて同機の体験コーナーを設ける。

電動アシスト昇降機を使って鉄塔登り


 電力ネットワークの強靱化などで送電線工事の需要が高まる一方、高所作業員の高齢化や若手の確保といった課題が顕在化している。人材確保のために作業の負担軽減は不可欠で、特に、その身一つで鉄塔を登り降りする肉体的負担の軽減は喫緊の課題だ。
 完成した試作機は、作業員が鉄塔を軽快に登り降りできるよう、昇降時にかかる荷重をモーターで軽減する仕組みとなっている。サイズは高さ55×横25×奥行き25cm、重さ25㎏。バッテリー稼働のため、絶縁トローリー線のような障害物はなく発電機も不要だ。装置回転部への挟まれ防止などの安全機能も付加した。

 同機の使用には、専用レールを事前に鉄塔を登り降りする部分に設置しておく必要がある。専用レールに作業員自ら同機を取り付け、それと作業員が装着したフルハーネスをフック付きロープでつなぎ同機のスイッチを入れることで、鉄塔を登り降りする作業員を適度なパワーで補助し、移動速度も速くなる。
 その性能確認に当たり、フィールドを東光電気工事が提供した。つくばセンターの研修用鉄塔(茨城県つくばみらい市)で実証した結果、鉄塔昇降にかかる時間が最大で半分になり、肉体的負担も大幅に軽くなることを確認した。

電動アシスト昇降機と専用レール


 確認作業に協力したのは、高所作業のベテランが多数所属する東和電気工事(東京都文京区、吉村篤社長)。同社の小坂兼昭氏は「今年で72歳。4年ぐらいは鉄塔を登っていなかったが楽に登れた。若い人の入職を考えると負担が軽くなるこれは必要だ」と評価する。同じく松下博康氏は「素登りの半分以下の力で登ることができた。これがあれば100m級の鉄塔も楽に登れる」と太鼓判を押す。
 今後、櫻井技研工業は同機の小型化や軽量化などの性能向上を図り、今年度内の市販化を目指す。

東和電気工事の小坂氏(右)と松下氏

その他の動画ニュースはこちら