【記者座談会】日建連23年度意見交換会が終了/都道府県の資材単価更新改善 | 建設通信新聞Digital

5月1日 木曜日

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【記者座談会】日建連23年度意見交換会が終了/都道府県の資材単価更新改善

◆コロナ禍から完全復活、距離感縮める

A ゴールデンウイーク明けの5月中旬から1カ月をかけて、北海道から九州までの全国9地区で開催した日本建設業連合会と国土交通省各地方整備局などによる2023年度の「公共工事の諸課題に関する意見交換会」が終了したようだね。

B 各地区での議論の内容や収穫などは、来週に本紙に掲載する総括連載を読んでほしいが、23年度はコロナ禍の制約を全て取り払った完全復活の節目となった。

C 昨年も意見交換会自体は対面形式で開いたが、密を避けるため本会場と傍聴会場を二つ用意するなど、一定の制約が設けられた。われわれ記者も傍聴会場でモニター越しに議論を見守る形だったが、今年はリアルなやり取りの空気感を共有させてもらいながら、取材をすることができた。日建連や国交省側からも「やっぱり意見交換会はこうでなくちゃ」といった声が上がっていたよ。

B 従来のスタイルに戻ったからというわけだけではないと思うが、複数の日建連幹部からは「発注者との距離が一層縮まったように感じる」との感想が聞かれたね。

A 意見交換会に続いて開かれる支部総会と懇親パーティーも通常どおりだったのかな。

C 取材の場としても大変ありがたい懇親会は全地区で無事に開かれた。会場内の移動制限もなく、コロナ前と同じ立食形式で催され、受発注者双方が懇親を深めていた。発注機関の人もたくさん来ていたし、やっぱりあの雰囲気はいいね。

B ここでは言えないが、お酒の力も借りながら、オフレコの話を聞けたことも楽しかった。個人的には各地方の話題を織り交ぜ、ウイットに富んだ押味至一土木本部長の乾杯あいさつが毎回楽しみだったな。

日建連関西支部総会後の懇親会。受発注者双方から多数が参加し懇親を深めた

価格高騰反映した適正な予定価格に

A 21年後半からの急激な資材価格の高騰で、建設工事の価格転嫁が課題になっている。公共工事は、スライド条項を活用した請負代金変更に目が向きがちだけど、最新の実勢価格を反映した適正な予定価格の設定が“一丁目一番地”の取り組みだよね。その点はどうなっているの。

B 国交省の調査で都道府県の取り組み状況を確認できる。23年4月時点の調査で、民間調査会社の物価資料に掲載されている価格を引用し、全ての資材単価を毎月更新している都道府県は、9割近い42団体に上った。

C 初めて調査した22年5月時点が15団体だったから、1年程度で27団体も増えた格好だ。その時点では、主要資材の単価だけを毎月更新していたり、毎月の変動率を確認して何%以上など、一定基準を満たした場合に更新するといった対応をしていた団体が多かった。都道府県の対応が改善している。

D 資材価格は22年後半から高止まりしているが、それ以前は毎月のように上がっていた。そのような状況では、月1回発刊される物価資料に合わせて発注者が資材単価を毎月更新しないと、実勢価格と予定価格に乖離(かいり)が生じてしまう。

A 都道府県の対応が改善した背景には何があるのかな。

B 国交省の要請が挙げられる。資材価格などの高騰を踏まえて発注者に適切な対応を要請した22年4月の通知で、適正な請負代金を設定する観点から、毎月更新を例示して資材単価の適時改定に取り組むよう求めた。

C 国交省と都道府県が入札・契約適正化を話し合うブロック監理課長等会議の場でも、本省から直接働き掛けをしていたよ。

D 国交省の要請が、都道府県に浸透してきたと言えそうだね。

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