近畿地方整備局と阪神高速道路会社が事業を進めている大阪湾岸道路西伸部(六甲アイランド北~駒栄)のうち、新港・灘浜航路部に架かる海上長大橋の基本構造が決まった。橋長約2700m、主塔高さ200mの斜張橋を整備する。基本構造の決定に併せて阪神高速は発注見通しも公表しており、設計・施工一括の工事2件を第3四半期に公告する見通しだ。
長大橋の基本構造は、橋長が2739m、最大支間長が653m、主塔高さが213mの7径間連続4主塔鋼斜張橋。基本構造のほか、主塔基礎の支持力、耐震設計、耐風設計、景観について学識者を交えた技術検討委員会で検討を進めてきた。
主塔基礎については地盤の載荷試験や土質調査の結果、基礎先端位置を東京湾平均海面からの深さ68mに設定した。当初は深さ48mを支持地盤の深さと想定していた。
主塔のデザインは「神戸の都市景観との調和」「シンボル性」「走行空間からの眺望性・演出性」の観点から決めた。路線全体で明るくモダンな印象を与えるためベージュ系の色相に統一する。
このほか、大規模地震を想定した主塔と橋桁の断面寸法や大型台風に対する耐風性を考慮した形状も設定した。
新港・灘浜航路部の長大橋は神戸市の六甲アイランドとポートアイランド間に架かる。工事は東西両側から進める予定で、設計施工を一括で委託する「新港・灘浜航路工区(西)鋼斜張橋工事」と「新港・灘浜航路工区(東)鋼斜張橋工事」を第3四半期に公告し、2024年度第2四半期に契約する予定だ。