【i-Con2024⑥】アイサス 東北支店長 後藤光氏 | 建設通信新聞Digital

5月6日 月曜日

B・C・I 未来図

【i-Con2024⑥】アイサス 東北支店長 後藤光氏

現場で汗流す従事者支援/情報共有システムを全国展開

後藤光氏

 建設業界全体を取り巻く高齢化や若手人材不足などの問題を解決するため、国土交通省は2016年から「i-Construction」を掲げ、測量や施工、検査などのプロセスへのICT導入を推進してきました。24年4月には時間外労働時間の上限規制が設けられることもあり、業務効率化や生産性向上は急務となっています。

 アイサスは建設現場の業務効率化、生産性向上に寄与するため、情報共有システム「information-bridge」を全国に展開しています。情報共有システムは、工事施工中・業務履行中に受注者と発注者の間でやり取りされる帳票を電子化し、書類提出のための移動時間や書類管理の手間を削減する効果があります。

 また、「BIM/CIM」等の3次元CADデータをはじめとした大容量データの共有や納品時にCD等での納品が不要となる「オンライン電子納品」機能も兼ね備えています。

 今後は、工程や品質情報の効率的な共有ができる「ICTプラットフォーム」への橋渡しができるシステムへと進化していきます。ICTの力によって課題が解決され、建設業がさらに魅力ある職業となれば、若手人材不足等の問題も解消に近づいていくはずです。

 とはいえ、昨今の急速なDX化について、前線で働く現場の方々はどのように感じているのだろうかと考えてしまいます。ここ数年で業界の環境は大きく変化し、活用すべきシステムやソフトは多岐にわたります。その全てに対応し、活用していく事は至難の業ではないでしょうか。その負担は計り知れません。

 アイサスは、今この瞬間、現場で汗を流している建設業従事者に目を向けていきたいと考えています。新しい物を覚え、活用することにはそれなりの労力を伴います。システムを提供して終わりではなく、利用者が今後も気持ちよく情報共有システムを活用できるよう、運用面や操作における不安や疑問を持っている方の元に足を運び、丁寧に説明させていただいています。

 利用していただいている全ての方々と一緒に次の時代に進みたい。そのためのサポート、支援をアイサスはこれからも惜しまない考えです。

 私が担当している東北地域では、各県での土木・建築工事における情報共有システム活用が一般化してきており、現在は業務委託案件での活用や市町村工事での活用が始まっています。

 これからシステムを活用していく自治体や利用者には、数々の不安や疑問点があるはずです。その一つ一つを丁寧にくみ取り、解決のための提案や支援を惜しまずに続けていきたいと考えています。



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