【能登地震の経験もとに展開】スマホアプリSOCOCA、災害時の情報共有に/オリコンサル | 建設通信新聞Digital

4月29日 月曜日

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【能登地震の経験もとに展開】スマホアプリSOCOCA、災害時の情報共有に/オリコンサル

 オリエンタルコンサルタンツは、道路巡回点検などに活用していた、スマートフォンを使った道路変状記録アプリ「SOCOCA(ソコカ)」を、災害時での土木インフラの状態などの情報共有ツールとして幅広く活用展開していく。

 同社は、日本アセットマネジメント協会(JMMA)の正会員として、能登半島地震で甚大な被害を受けた石川県能登町での被災状況を把握する現地調査を支援した。特に先遣隊として1月7日に現地入りし、同町の置かれた状況と要望を踏まえて、約1カ月にわたる大手建設コンサルタント各社のリレー形式による支援活動の道筋を付けた。その一つが、複数のスマホで同時に記録でき、JAAM関係者と町職員がリアルタイムに現地の被災状況を情報共有できるツールとしてのSOCOCAの活用だ。

アプリの活用例


 緊急事態となる今回は、現場対応の省力化を図るため、入力項目は入力対象の分類(土工、橋梁、トンネルなど)、被災度(大・中・小、通行可能の程度で使い分け)、メモ(気付きなど)と最小限にとどめた。同社社員は土地勘のない地区に入るため、全国道路施設点検データベース(xROAD)から能登町の橋梁点検情報をダウンロードし、橋梁位置と橋梁概要をあらかじめSOCOCAに登録。同町の管理橋梁を図示することで調査対象となる町道の事前確認を可能にした。

 さらに利用開始後も同町の要望を受けて入力項目などをカスタマイズし、管理しやすいように修正するなど柔軟に対応した。

 SOCOCAは、スマホを使って被災箇所の写真を撮影するだけで位置情報を取得し記録できる。道路インフラの損傷状況をプルダウン形式で選択、地図上に対応状況の色分けフラグ表示が可能だ。損傷諸元・位置図・現地写真からなる帳票出力ができ、資料作成の手間を大きく削減できる。

 町職員はSOCOCAから出力したレポートを活用し、国土交通省のTEC-FORCE(緊急災害対策派遣隊)などに提供。多様な関係者との情報共有に有効なツールとして効果を発揮した。

 JAAM調査団として、同社に続いて現地入りした第2班以降の建設コンサルタント各社も情報共有ツールとしてSOCOCAを継続利用。JAAM支援が終了した後も町職員が活用を継続しており、2月11日時点での登録数は368件に上っている。

 

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