【BIM/CIM2024⑨】川田テクノシステム 設計シミュレーションで業務を劇的に省力化 | 建設通信新聞Digital

5月1日 木曜日

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【BIM/CIM2024⑨】川田テクノシステム 設計シミュレーションで業務を劇的に省力化

 川田テクノシステムは、“3Dオリエンテッド”のコンセプトを掲げ、最先端の情報共有クラウドシステムや土木系3次元設計CAD『V-nasClair』などを組み合わせたBIM/CIMソリューションを提供し、インフラ分野のDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援している。豊田純教上席執行役員開発本部エンジニアリング開発部長は「3次元モデルの作成がBIM/CIMのゴールという概念を払拭したい。図面や3次元モデル、属性情報、シミュレーションシステムなどが連動し、さまざまな検証を即座に行い、設計者の劇的な業務省力化と品質の向上を実現する」と話す。

 具体的には、点群や3次元測量データがない状態で、設計者が2次元図面のイメージで設計に着手でき、3次元空間内に一元化した属性情報を付与したデータから、2次元図面や数量表などを自動作成することで、2次元設計業務の成果品としても活用できる。BIM/CIM物件、現状の2次元設計物件の双方に使えるデュアルユースの運用が可能となる。

 3次元モデルを作成するメリットを最大化するため、任意のタイミングで即座にシミュレーションする機能も提供する。「例えば交差点の排水計画を検討する際、2次元図面では勾配を等高線で表すが、雨水がどこに流れるかを理解するのは難しい。3次元空間で雨水の拡散をシミュレーションすればどこに水がたまり、流れるのかをひと目で理解できる」と説明する。実務に必要なレベルのビジュアルを即座に付与するレンダリングシステムも提供する。

 設計変更が必要になったときもシミュレーションを活用すればさまざまなパターンを作成し、3次元空間で検討できる。「手作業では多くのパターンを作るのに限界があるが、シミュレーションを活用すれば多数の案をすぐに作成し、設計者の考えにないパターンも作り出すため、設計をクリエーティブにできる」と効果は大きい。

 また、構造物を配置検討した履歴を残すことで決定根拠を後工程に伝達できる。これらの機能を活用し、「従来の図面と3次元モデルに加えてシミュレーションを活用した3次元動画も発注者に納品すれば、維持管理段階で問題が起きたときも設計意図を確認し、素早い対応が可能になる」と展望する。



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