フィーチャーインタビュー2025・アクティオ 小沼 直人社長 | 建設通信新聞Digital

9月26日 金曜日

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フィーチャーインタビュー2025・アクティオ 小沼 直人社長

【レンタルとコンサル一体提供/現場の知見で付加価値向上】

 国内の広域レンタルで売上高トップのアクティオ。コンサルティングとレンタルを組み合わせた提案型レンタル「レンサルティング」を掲げ、建機レンタルを次のフェーズに乗せようとしている。「描いてきた新しいレンタルの形が着実に具体化してきた。ここから、さらに加速していく」と力を込める。  --2024年度の振り返りを
 「物価高騰のインパクトが大きかった。中には2、3割上がっているものもあり、利益を出しにくい環境になりつつある」
  --価格転嫁の進捗(しんちょく)は
 「価格転嫁に際しては、単なる値上げではなく、付加価値の提供も求められるだけに地道に進めていく」
  --業界内での競争は
 「売り上げはトップだが、常に危機感は持っている。資産運用や修理・メンテナンスコストまでを考慮した購買を強化する」
  --働き方改革は
 「無人レンタルサービス『アクスポ』の対応拠点拡大を拡大している。ユーザーの利便性も考えつつ、社員の働き方も改善していく」
  --省力化については
 「整備手順の標準化を強化している。メカニック次第で、作業がオーバースペックになっているケースもある。見本や基準となるもの、必要十分な手順を映像に残す取り組みを5年以上前から続けている」
  --長期の展望は
 「業務の変革が必要だ。従来は、市場のニーズをリサーチして、製品を買い、それをスピーディーに提供していた。この部分で勝負して、支持されてきた。ただ、これだけでは、さまざまな“無駄”が生じる」
 「例えば、貸し出し中の機械で、現場で稼働していないものがあったとする。IoT(モノのインターネット)技術を使い、稼働状況が遠隔で分かれば、その情報を現場に提供できる。お客さまも無駄に機械をレンタルする必要がなく、返却可能だ。戻った機械は、必要とする別の現場で活躍できる。見えなかった情報を吸い上げ、見えるようにする。そして、それを次の展開につなげていく」
  --競合他社との差別化は
 「独自開発のオリジナル商品を徐々に増やしており、社員教育も強化している。加えて強みになるのが、自社で修理工場を持っていることだ。修理作業を通じて気付くこと、得られるノウハウがある。こうした現場の知見は、まだ十分に生かしきれていないものも存在する。情報をしっかりと吸い上げ、これをレンタルの付加価値向上につなげ、『レンサルティング』を進める」

【横顔】
 (こぬま・なおひと)日課は「庭の芝刈り」とのどかだが、好きな映画は動きが激しめの『007』シリーズ。「メカが出てくるでしょ、隠し玉みたいな秘密兵器。ああゆうのが好きなんだよな」と茶目っ気たっぷりに笑う。