
JR東海は9日、建設工事を進めるリニア中央新幹線第一南巨摩トンネルの坑内(山梨県富士川町)を初めて一般公開した。リニア中央新幹線への理解を深めると同時に、親しみを感じてもらうことが狙い。当日は、あいにくの雨模様だったが、多くの人々が現場を訪れた=写真。
2023年10月に貫通したトンネル内では、上部の吹付コンクリートの施工が完了し、下部のインバート工事を進めている。安全に見学できる環境が整ったとして公開した。
坑内では、リニア中央新幹線の紹介動画のほか、AR(拡張現実)を使ってトンネル完成後のイメージを体験するコーナーも用意した。参加者からはトンネルの大きさに驚きの声が上がっていた。
JR東海山梨西工事事務所の鈴木一真所長は、「多くの人が来場し、高い関心を持って見てもらった」と現場公開の意義を強調した。富士川町主催の甲州富士川まつり、同社主催のさわやかウォーキングと同時開催していることも紹介した上で、「地域の魅力発信の機会になればありがたい」と述べた。
富士川町内では現在、二つの工区でトンネル工事などを進めている。第一南巨摩トンネルを含む工区(延長3.9㎞)は大成建設・早野組JV、第四南巨摩トンネル(東工区、延長6.0㎞)は大林組・鴻池組JVが施工を担当する。ともにトンネル掘削の進捗(しんちょく)は4割程度となっている。












