【227路線157㌔を優先整備】羽田周辺に新たな都計道路/東京都が整備方針案 | 建設通信新聞Digital

12月23日 火曜日

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【227路線157㌔を優先整備】羽田周辺に新たな都計道路/東京都が整備方針案

広域的な都市間の連携強化


道路網の拡充でアクセス強化


 東京都は、今後15年の都市計画道路整備を見据え、優先的に着手する227路線約157㎞を選定した。さらに10路線約2.9㎞を廃止候補路線に振り分けたほか、回遊性やにぎわい向上に向けて道路空間の再編を先導する「リーディング路線」、羽田空港周辺など6路線を対象とした新たな都市計画道路の検討路線も抽出した。 都は、「東京における都市計画道路の整備方針(案)」をまとめた。計画期間は事業の長期化を織り込み、2026-40年度の15年間とした。

 方針案の基本目標には、社会情勢の変化に伴い、人を中心とした空間創出の需要が高まっていることなどの視点を取り入れ、▽都市の強靱化▽人やモノの自由な移動▽安全で快適な道路空間の創出▽都市環境の向上–の四つを据えた。道路ネットワークの形成・充実と新たなニーズに応じた道路空間への再編の両軸の実現に取り組む。

 具体の整備に向けては、都・区市町の検証を経て、未着手(概成含む)の幹線道路を「優先整備路線」「優先整備路線に選定しなかった路線」「計画内容再検討路線」「廃止候補路線」に選定。さらに、広域的都市間連携やアクセス強化などの視点から「新たに検討する都市計画道路」を示したほか、完成済みの都市計画道路で「リーディング路線」を選定した。

 40年度までの優先的事業着手を目指す優先整備路線は計157㎞。内訳は、都施行路線96㎞(区部43㎞、多摩地域53㎞)、区施行33㎞、市町施行26㎞、その他施行2㎞。千代田区の放射9号線(補助124付近~環状2付近)1300m、中央・港区の環状3号線(環状2~放射20)2340mなどが対象となる。

 計画内容再検討路線では、前後区間の都市計画の整合性、高速道路の地下化など特別な事由によって検討を要する路線20カ所約29㎞、廃止候補路線では10路線約3㎞を抽出した。

 新たな都市計画道路では、板橋区、大田区、町田市、八王子市の6路線を検討対象に定めた。板橋区、町田市はそれぞれ埼玉県(和光市方面)、神奈川県(相模原市方面)との連携強化を、大田区では羽田空港周辺地域での道路網の拡充を見込んでいる。今後は都市計画道路の新規決定に向け、関係機関と連携しながら検討を進めていく見通し。

 リーディング路線は、周辺への交通影響などを確認しつつ、40年度までの工事着手を目指す。対象は、新宿駅周辺の新宿副都心街路4号線(新宿副都心12~新宿駅西口広場)660mを含む22路線約10㎞。

 整備方針は、意見募集などを踏まえて25年度末までに策定する方針。策定後は社会情勢の変化などを考慮し、中間年次で必要に応じた検証を実施する予定だ。

 都内では約3200㎞の都市計画道路が定められており、その完成率は23年度末時点で約65%程度(約2100㎞)となっている。

 

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