書籍 | 建設通信新聞Digital - Part 9

5月8日 水曜日

書籍案内

『バリュー流動化社会……建築へ03』(細田雅春著)

さまざまな政治・経済問題、社会現象などから建築の在り方をテーマにして好評だった、当社既刊『建築へ02』の続編として、本書は刊行されました。2000年4月から03年12月までの動きを追いながら、社会と建築との関係を鋭く考察しています。
 とくに、情報技術(IT)の発達によるインターネットなどの進展が、その過程ごとにもたらした建築への影響を、著者はつぶさに観察し、また展望を語ります。さらに、ITがもたらした情報の多様化、大量化が人々の価値流動を招き、建築にどう影響し、建築がどう対応していくべきなのかを提起します。
 社会の中の建築を標榜してきた著者ならではの1冊となっています。執筆時の時代を区切る節目に掲載された写真も、流動する表情をよく表現しています。「現代社会での建築とは」を考える方々にお薦めする1冊です。

2178円(税込)/天地150mm×左右150mm/256頁 ISBN4-930738-97-0
『建設技術者が危ない』 (中村裕司著)

 公共事業の大幅減少、新規投資も激減してきたのに伴い建設技術者の半分は職を失うと予測されています。本書は、建設技術者個々の危機をどう回避するのかをテーマとして、その在り方が議論されている公共事業を、欧米のニューパブリックマネジメントを例示しつつ、開かれた透明性のあるものに立て直すよう訴えています。
 建設技術者の未来像、新公共事業論を幅広い視点から検証、提示した本書をぜひご購読ください。

1870円(税込)/A5判/258頁 ISBN4-930738-86-5
『呑流建築雑話』野々村俊夫著

 本書は、著者の野々村俊夫氏(元郵政省施設部長)が執筆した、建設通信新聞のコラム「建設論評」掲載原稿を内容別に12のテーマに分類し直し、それぞれに書き下ろしの原稿を加えて、書籍化したものです。
 建築設計を軸としながらも、その切り口は景観保全、宗教、コミュニティー、クラシック音楽、果ては映画・マンガにまで及び、文化と建築の密接な関係を解き明かしています。
 その筆鋒は鋭く、「ものづくり」へのこだわりを捨てた現代日本の文明を斬る辛口批評となっています。
 巻末に掲載されている日光霧降リゾート建設過程でのR.ヴェンチューリとの交流、その後の著者との私的な往復書簡は、ヴェンチューリの人となり、設計思想が垣間見えて興味深いものとなっています。

3080円(税込)/A5判/470頁 ISBN4-930738-73-3
【品切れ】
『建築へ02』(細田雅春著)

 本書は、著者の細田雅春氏(佐藤総合計画副社長)が執筆した、建設通信新聞のコラム「建設論評」掲載61編の原稿と、他誌などに発表した3編の原稿を合わせて、書籍化したものです。
 64編のテーマは、既刊『建築へ』刊行後の1995年から2000年にかけての、建築・都市と社会経済の動き、デジタル社会とIT(情報技術)革命など多方面にわたっており、社会現象そのものが、いかに都市や建築に深くかかわっているかという「解読の記録」でもあります。建築界でオピニオンリーダーとして名高い著者の真髄が発露しています。
 5年間にわたる建築設計界の主要な論題が理解できると同時に、これからの課題を指し示す好著となっており、建築設計に携わる方のみならず、コンサルタント、建設会社に勤務する方にも、必読の書です。

1430円(税込)/四六判変形/232頁 ISBN4-930738-71-7
『20世紀モダニズム批判』建築の21世紀――世界と自己の破壊をこえて(川向正人著)

 さまざまな要因が重なり合いながらも、バブルが地域社会、都市、そして建築をも変貌させました。その変貌ぶりはけっして歓迎されるものではなく、むしろ衰退という言葉のほうが適切にすら思わせます。地域、都市、建築の再生をどう果たしていくのか。
 本書は、これからの建築を担う学生の視点をとらえながら、欧米・日本の建築史を読み直し、治癒から成熟に向かおうとする建築と地域の流れを描き出しています。
 21世紀への都市、建築の再生へ向けて、必読の一冊です

2970円(税込)/A5判/274頁 ISBN4-930738-60-1
【品切れ】
『論評 建築界を望む』(橋本喬行著)

 本書は、好評既刊『論評 建築界を考える』『論評 建築界を視る』に続いて、1995~1998年にかけて話題となった、建築界の未来を握るテーマを著者が期待を込めて展望したものです。
 今回、その視野は「建築プロフェッションの再定義」「建設産業の構造改革」「建築設計者団体の変化」「建築設計者の実務基準」「建築設計者の品質保証」「阪神大震災と建築規制」などに広がりました。
 グローバリゼーション、建設産業のCS指向など、建築界にも構造改革の波が押し寄せてきています。本書は、21世紀の建築界を展望する上で、欠くことのできないものです。ご一読をお勧めします。

1980円(税込)/A5判/340頁 ISBN4-930738-57-1