USV(無人水上船舶)やUGV(無人地上車両)の開発・製造を手掛けるエバーブルーテクノロジーズ(東京都調布市、野間恒毅代表取締役)は、10月から電動UGV「除雪ドローン」のレンタル提供を始めた。野間氏は目標を「3年後に500台の導入実績」と語る。さらに効率化を見据え、複数機体の同時走行試験に早ければ2026年度から着手する。
同社が先行して開発を進めていたのはUSVだった。その後、水上という「いわばグリップがゼロの状態」で機体を自動制御する技術が不整地でも応用可能と分かり、UGVにも着手。除雪の自動化を望む声が多かったことに応じて除雪ドローンを開発した。
除雪ドローンのうち「V3 プロトタイプ」は、24年度に北海道エアポート、スズキとの共同実証実験で新千歳空港の自動除雪に使われた。車載カメラの映像を見ながら操縦者が操作するほか、GPS(全地球測位システム)を使用して自己位置を推定し、アプリで指定した特定のエリアを自動で走行・除雪する。空港のほか高速道路、発電所、鉄道線路などでの運用を見込む。「吹雪などがあると各種センサーでの制御が難しい。現状はGPSが使いやすい開けた屋外での使用を想定する」と補足する。
スノープラウ(排雪板)などの除雪向け装備を替えれば別用途も視野に入る。12月には資材運搬や小規模な土砂押し出しが可能な機種「UGV-F11RC2」を発売する。そのほかに巡回警備、測量・調査や傾斜地での草刈りなどでも検討を進める。
レンタル開始について「雪上を自動で走るだけでなく、どれだけしっかり除雪できるか、という点に実用性がかかっており、そこに技術的ハードルもある。現状の除雪ドローンは、人が乗ったり手で押したりせず除雪可能な点でユーザーに貢献する。その展開を通して得た知見をフィードバックして自動除雪のステップに挑む」と位置付ける。「さまざまな屋外作業の負担軽減が、労働力不足に直面するインフラ企業などから求められている。当社のUGVでそれを進めることができれば社会貢献につながる。父が草刈り中に体調を崩したことがあり、個人的にも野外作業の負担を減らしたい思いがある」と意気込みを語る。
















