清水建設は、横浜市内で雨水調整池を活用したソーラー発電事業を開始した。国内では例が少ない、公共資産を活用した水上式の発電事業となる。平時は渇水状態にある調整池を発電場所に選定していることも事業の特色となる。
同社は、横浜市が再生可能エネルギーの導入拡大、地産地消の推進を目的に公募した「雨水調整池を活用したオフサイトPPA事業」に採択された。市が所管する湘南桂台第二雨水調整池(横浜市栄区)に総面積1197㎡の水上式太陽光パネルを設置し、年間13万4000kW時の電力をみなとみらい21地区に供給する。需要家への電力小売りは100%出資子会社のスマートエコエナジー(長澤幹央社長)が担当。事業期間は20年を予定している。
同社が横浜市から調整池の占用許可を受けてオフサイトPPA(電力購入契約)事業を展開するとともに、災害時の非常電源確保など地域への貢献を果たす。
活用する水上式太陽光パネルは、浮力を持つフロート式の架台上に太陽光パネルを敷設したもので、調整池内の水位が変動した際のパネルの水平移動を抑制するため、フロート架台と調整池の底盤をワイヤで緊結している。
水を常時蓄えた調整池と比べて発電設備の施工効率が高まり、設置コストを約5%削減できたという。
同社は10月現在、44カ所の発電所を所有し、総発電容量は99.1メガワットとなる。今後も、水上式ソーラーの発電能力の向上に向けて検証を進め、脱炭素化と持続可能な社会の実現に寄与していく。














