【高砂熱学工業】魚を傷つけず急速・均一に冷却! 海水シャーベットアイス製造装置販売を本格化 | 建設通信新聞Digital

5月11日 土曜日

公式ブログ

【高砂熱学工業】魚を傷つけず急速・均一に冷却! 海水シャーベットアイス製造装置販売を本格化

平戸魚市に納入した1号機

 高砂熱学工業は、水産物の高鮮度流通を実現する海水シャーベットアイス製造装置「SIS-HF」の販売事業を本格化させる。4月に行う機構改革で「環境ソリューション事業推進部SIS事業部」を新設し、営業活動を強化する。新たな収益源として国内製氷機市場に参入し、6年後に年間10億-20億円の売り上げを目指す。
 SIS-HFは、氷蓄熱空調システムの技術を応用して開発した。最大でも粒径0.05mm程度というきめ細かく滑らかな氷は、魚体を傷つけず、急速・均一に冷却することが可能。氷濃度は、従来型のかき取り方式シャーベットアイスの約2倍に当たり、氷蔵保存時間も約2倍になるため物流範囲を拡大できる。
 約2年間の開発期間を経た2016年1月に、平戸魚市(長崎県平戸市)に第1号機を納入。同年2月には農林水産省実証試験用実機として久慈市漁業協同組合(岩手県久慈市)に2号機、17年3月にぜんぎょれん八戸食品(青森県八戸市)に3号機を納めるなど実績を積み重ねてきた。

海水シャーベットアイスで冷却したサバ

 一方、高鮮度保持・流通に関しても、内閣府沖縄総合事務局の協力の下、那覇空港を拠点とした実証に取り組んできた。30時間超がかかるシンガポールへの輸送でも、シャーベットアイスが0度以下の低温度を保持し、高鮮度流通の有効手段になることを確認した。より遠くまで運べるほか、水産物のロス率も減らせる。
 本格事業化に当たっては、漁協、養殖、魚市場、水産加工などの高鮮度保持技術を必要としている水産関係者や物流事業者向けに、SIS-HFを販売・設置・運用していく。約20年に1回という大型製氷機の更新需要をメインターゲットに据える。今後3年で単年度黒字化を達成し、6年後には売上高10億-20億円規模の事業に育てる。
 次のステップとして、自前での機器保有が難しい小規模事業者などを対象に、シャーベットアイス自体の販売も視野に入れている。将来的には、SIS-HFを中核に高鮮度化した水産物流通の確立、販売も手掛けたい考えだ。

建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら