【BIMモデルで進捗確認】部材の出荷・搬入・建て方視覚化 大林組 | 建設通信新聞Digital

4月29日 月曜日

B・C・I 未来図

【BIMモデルで進捗確認】部材の出荷・搬入・建て方視覚化 大林組

ビジュアル工程管理システム用アプリ「プロミエ」の画面

 大林組は、BIMモデルを使って鉄骨工事や躯体工事などの進捗を視覚的に把握できるビジュアル工程管理システム用ウェブアプリケーション「プロミエ」を開発した。部材数が多い鉄骨工事を中心に工程管理に活用しつつ、工事計画検討機能やフレキシブルな帳票出力機能を搭載するなど機能拡充や社内関連システムとの連携を進める予定だ。

 鉄骨などの部材を工場から出荷、搬入する際は、出荷伝票の部材リストと図面を突き合わせて管理していた。部材の取り付けや建て方完了時には図面の部材に色を塗り、進捗状況を把握しているものの、部材数が多いと非常に手間がかかり、出荷の遅れや部材符号などの記載ミス、情報伝達漏れなどの原因になっていた。管理情報の共有も難しく、工事出来高算出の際にも工事の実施記録を表計算ソフトやデータシートに転記する必要があった。

 プロミエは、建設部材に出荷、搬入、建て方などの工程ごとの予定日と実施日を記録する。タブレットなどの端末に付属したカメラで、建設部材に貼付したQRコードを読み取れば、部材の搬入や建て方などの実施日を記録可能で、3D画面や部材一覧から入力対象部材を選択して記録できる。入力記録はシステムサーバーにアップデートされ、関係者がリアルタイムで確認できる。属性情報や建て方実施状況確認メニューでは、工事予定や実施状況の進捗を時系列で確認でき、遅延や前倒しも色分け表示する。

 記録した実施情報はCSVファイルとして出力可能で、BIMモデルの数量情報と連携して月単位の工事出来高数量も把握できる。BIMモデルの数量は、工事費請求の根拠数量として利用できるため、工事出来高算出と請求処理時間を大幅に低減できる。試行現場では、算出・処理時間を約20%削減できた。

 メモや写真を部材ごとにひも付けできるほか、所定フォルダ内の図面ページの指定によるひも付けも可能。
 2018年に現場で試験導入したアプリで、現場の要望などを踏まえ、工事の進捗状況を3Dで確認・管理でき、発注者や協力会社とのリアルタイムでの情報共有が可能なシステムにまで機能改善を進めてきた。



建設通信新聞電子版購読をご希望の方はこちら