日本建築学会は8日、東京都港区の建築会館で「第9回子どものまち・いえワークショップ提案コンペ」の公開審査会を開いた。今回は13大学から16チームが参加。最優秀賞には東京理科大理工学部建築学科伊藤香織都市デザイン研究室の小山朝子さん(修士1年)を代表者とするチームが提案した『吾輩は◯◯である‥なりきりすごろく』が選ばれた。
最終的に審査員が各自1・2・3点を配点する形で決選投票し、得票順に最優秀賞1点と優秀賞2点を決定。また得票に関わらず審査特別賞を選出した。
最優秀のなりきりすごろくは、まちの中のネコやカラス、アリなどの生き物の生活について学んだ上で、その生き物になりきってまち歩きし、写真を撮って1冊の図鑑にまとめ、そこから得られた「気づき」からすごろくを作成。ふだん見慣れたまちを違う視点から観察し、それを形にしていくことでさまざまな居場所を発見し、遊びを通じてそれぞれが共有していくもの。実施場所は千葉県流山市の市役所周辺を想定している。
審査委員長代理の中津秀之関東学院大准教授は「同じまちでも見る角度や高さ、スケールやスピードで変わってくるし、それが重層的に重なってくることによって移動空間や建築のつくり方も変わってくる。それを考える第一歩として非常に面白い。これをベースにどう発展性を持たせるか、継続性も含めてぜひ研究を進めていってほしい」と激励した。
チーム代表の小山さんは「このワークショップを行うことでそこから流山の発展につながるようにやっていきたい」と意気込みを語った。
優秀賞の提案チームは次のとおり(カッコ内は代表者、敬称略)。
▽ことマネあそび ことを真似るまちあそび=ことマネあそび=ことマネ族〈東工大・日本工業大メンバー〉(陰山愛)
▽ダンボパズル=東海大(茂木涼介)