NECは、さまざまな企業と第5世代移動通信システム(5G)を使ったサービス・技術の開発を進める「5G Co-Creation Working」の建設ワーキンググループ(WG)で、遠隔地から作業員の安全帯使用状況をリアルタイムで確認できる技術を実証した。WGに参加した錢高組も「ICT活用による墜落事故防止の可能性が見えてきた」とコメントしている。
今回、開発したシステムは高所の作業場所にサインビーコンを設置、作業員のヘルメットに振動ビーコンを取り付け、作業者が所定の高所エリアに入ると振動で安全帯の使用を促す。安全帯のフックにセンサーを取り付け、フックを掛ければアラートは停止する。フックの使用状況や作業員の位置情報が無線ネットワークで常時、サーバーに送られ、現場責任者が管理画面で安全帯の使用状況をリアルタイムで確認できる。蓄積されたデータで作業場全体の安全帯の使用状況を分析できる。
3月にNECネッツエスアイの研修施設内の鉄塔で実証した結果、アラートによる安全帯使用の通知や使用状況の確認、データ化が可能なことを確認した。今後、WGでは5Gを使って作業現場からリアルタイムで高精細な映像を送信し、安全帯の使用状況を遠隔地で視覚的に確認できるようにするほか、外部関係者にもヒアリングして高精細映像を使った多様な労働災害防止対策などを発案・検討する。