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【BIM2022 国土交通省のBIM推進】BIM活用の知見やルールを整備 国土交通省住宅局長 淡野 博久氏

最終更新 | 2022/07/11 11:34

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国土交通省住宅局長 淡野 博久氏

 官民が連携し、“オール建設業”でBIM標準化の取り組みを進める国土交通省の建築BIM推進会議の活動が4年目に入った。標準ワークフローや各部会の検討内容をモデル事業などを通じて検証し、さまざまな知見が集積することで、プロセス間のデータ連携のルール化に向けた検討が深度化している。淡野博久住宅局長に、今年度の会議の方向性を聞いた。

--これまでの「建築BIM推進会議」における検討状況と2021年度の取り組み内容、今後の課題は
 「少子高齢化に伴う生産人口の減少の社会課題に対し、それを上回る生産性を向上させることで経済成長を実現する『生産性革命』を建設生産プロセスにおいても目指すため、国土交通省では『i-Construction』の方針の下、BIMの活用を推進しています」
 「特に建築分野では、建築物のライフサイクルにおいて、BIMを通じデジタル情報が一貫して活用される仕組みの構築を図り、建築分野での生産性向上を図るため、官民が一体となって検討を進める『建築BIM推進会議』を19年6月に設置し、関係部会での議論も踏まえながら、『建築BIMの将来像と工程表』の取りまとめや、『建築分野におけるBIMの標準ワークフローとその活用方策に関するガイドライン(第1版)』(20年3月公表)の策定、『BIMを活用した建築生産・維持管理プロセス円滑化モデル事業』におけるガイドライン(第1版)の検証等に取り組んできました」
 「特に21年度は、20年度に引き続きモデル事業よりガイドライン(第1版)を実際のさまざまな建築プロジェクトに活用し、試行検証するとともに、モデル事業における検証結果等を踏まえ、建築BIM推進会議において、ガイドラインの内容についてさらなる議論を重ね、ガイドライン(第2版)を策定しました(22年3月公表)」
 「こうした取り組みを通じて、設計・施工等のプロセスを横断したBIMの活用に係る知見やルール等は一定程度整備されてきたところであり、今後は、さらなるBIMの活用の推進に向けて、データ連携の一層の円滑化やBIMの普及、人材育成、BIMデータの価値拡大等について取り組んでいく必要があると考えています」

--ガイドラインの改定と今後の展開は
 「ガイドライン(第2版)では、これまでの建築BIM推進会議の活動成果、モデル事業の成果等から得られた知見を盛り込むとともに、実務者の意見を踏まえ、記載順を整理するなど分かりやすい構成としました」
 「また、標準ワークフロー全体にわたって、発注者メリットと発注者の役割、BIM活用の前提として必要なEIR(発注者情報要件)とBEP(BIM実行計画)、ライフサイクルコンサルティング、維持管理・運用BIM等に関する記載を充実し、標準ワークフローのパターンについて、発注者を始めとした活用の目的に応じ分かりやすいよう再整理しました。今後、本ガイドラインが多くの建築プロジェクトに活用され、BIMのプロセス横断的な活用の推進に寄与することを期待しています」

--モデル事業で得られた成果と22年度の取り組み方針は
 「20年度のモデル事業では、特に維持管理段階へのBIMデータの円滑な受け渡しに向けた課題と、維持管理段階でのBIMの活用効果等が多く検証されました」
 「21年度は、『先導事業者型』、連携事業の位置付けを明確にした『パートナー事業者型』、さらに中小事業者へのBIMの普及を見据えた『中小事業者BIM普及型』の3つの枠組みで事業を実施し、特に『先導事業者型』では20年度で検証されていない戸建住宅におけるBIM活用の検証や、BIMの活用の推進に当たり特に重要な立場となる発注者に対するメリットとして、発注者との合意形成や施設の維持管理・運用の効率化等の効果を検証できました」
 「また『中小事業者BIM普及型』では、主に中小事業者の方々が、地域でグループを形成して試行的にBIMを活用することで、段階的なBIMの活用や普及に向けた課題解決策の検証が行われました」
 「これらの成果については、広くBIMを活用する方の参考となるよう、国土交通省ホームページで報告書等を掲載しております。また、より広くさまざまな事業者に先進的な取り組みを知っていただけるよう、今後、成果報告会を実施したいと考えています」
 「22年度のモデル事業は、21年度と同様の3つの枠組みで募集しており、いずれも新しく策定したガイドライン(第2版)に基づく検証を実施していただくこととしています。特に『先導事業者型』では、引き続き発注者メリットの検証を求めるとともに、過年度の事業で検証等が充分でない課題として、例えば、ライフサイクルコンサルティング、施工技術コンサルティング等の新たな職能の必要性と効果の検証や、建築BIM推進会議の各部会における取り組み(BIMを活用した確認申請の試行、BIMを用いた概算手法の検証、BIMオブジェクトライブラリ・IFC等を活用したデータ連携の検証等)の成果と関連した検証等を求めています」

--BIMの普及、教育に関連する取り組みの方向性
 「BIMを普及していくためには、BIMに関して学ぶ環境の整備を推進していくことが重要となります。21年度は建築BIM推進会議に参画している設計団体等において、初心者向けのBIMの講習会の実施やBIM利用による設計コンペの開催、BIMに関わる幅広い方々を対象としたBIM情報ポータルサイトの構築など、建築士や学生に対する、BIM設計の導入意欲の喚起や学習、スキルアップにつながるさまざまな取り組みが行われました。建築BIM推進会議としても引き続きこれらの取り組みの促進に向け連携・支援を図ってまいります」
 「また、『人材育成、中小事業者の活用促進』の課題については、建築BIM推進会議で定めた『建築BIMの将来像と工程表』において、将来像を実現するための課題の1つとして位置付けられており、モデル事業等で知見を得つつ、建築BIM推進会議で議論をしていく必要があると考えています」

--BIMの標準化で実現する将来展望は
 「新たな住生活基本計画(3月19日閣議決定)では、住宅の設計から建築、維持・管理に至る全段階におけるDXの推進が掲げられており、今後は建築物のライフサイクルを通じた維持管理・運用段階等における施設の有効利用や資産運用、サービス展開等を目的とした新たなBIM活用の方法、BIMデータの価値拡大等を検討していく必要があります」
 「今後、建築BIM推進会議では、このような課題に対し、官民の事業を進めつつ、部会間・関係団体間で連携し、官民一体となってさらに検討を加速していきたいと考えています」
 「こうした継続的な取り組みにより、マーケットのさまざまな事業でBIMが広く活用され、将来的にはさまざまな人材の育成や幅広い事業者への普及、さらにはビッグデータ化、インフラプラットフォームとの連携等に広がっていくことを期待します」



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